彼女が欲しい
俺はいつも「カノジョが欲しい」と思っていた。
その「カノジョ」という単語は、「カノディオン」という単語に変化し、俺の頭の中では今でも「カノディオンが欲しい」となってしまっている。
これは一体なぜなのか。
それは音楽を聴いていた時に気づいた。
事の発端は『セリーヌ・ディオン』だということに。
そうだ。俺はセリーヌ・ディオンが好きだった。数ある曲の中でも「A New Day Has Come」や「The Prayer」が特に好きだ。ゾクゾクする。
ああ、セリーヌ・ディオンさん最高。
ああ、セリーヌ・ディオンさん素敵。
ああ、セリーヌ・ディオンさん・・と、毎日のように繰り返し唱えていたのかもしれない。
そしていつの間にか「ディオン」という部分だけが歩き始めた。
そして今、俺が欲しいのは『カノ・ディオン』になった。
誰だろうね。
そのようにして、俺の頭の中では現在「カノ・ディオンが欲しい」となっている。
文字ではちゃんと「彼女が欲しい」という言葉になっていても、俺の頭の中では必ず「カノ・ディオン」とね。
これからもずっとそうだろう。
もう早く頭から離れるか、考えないで済むようになりたい。